西上寛の日々ブログ

八女伝統本玉露

2016/05/23

「八女茶」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います
昨年(2015年)12月に農林水産省が認定する地理的表示登録産品として『八女伝統本玉露』が登録されました
茶のみでは2014年から葉茶の玉露は『八女伝統本玉露』を採用させていただいております
(白)玉露

八女茶の歴史も古い
明から帰国した栄林周瑞禅師が応永30年 (1423年)に黒木町の 霊巌寺を建立するとともに 明式(釜炒り)茶の栽培・喫茶法を地元の庄屋 松尾太郎五郎久家に伝えたのをはじまりとしている
その後 長らく釜炒り茶や炙り茶(日光や火で焙り乾燥させる方法)が八女地区では作られていた

現在のように高級茶の産地として 蒸し製の緑茶を本格的に作るようになったのは大正末期からである
大正14年 (1925年) に八女郡福島町 (現在の八女市本町 福島小学校) で行われた物産共進会・茶の全国品評会の部の席で 当時の福岡県茶業組合理事長 許斐久吉 (このみひさきち) が 釜炒り製や蒸製の茶が混在し 「筑後茶」「笠原茶」「星野茶」など複数の地域名で呼ばれていた郡産茶を改良された高品質の蒸製緑茶から「八女茶」と統一するよう組合員に提唱し 満場一致で可決された

以後 蒸し製緑茶を基本として 作り続けられており 昨年の農林水産省認定 地理的表示産品『八女伝統本玉露』に繋がるのです
①八女
八女大茶園 ここは露地栽培ですが 見渡す限り茶畑です

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八女本玉露の里  旧星野村 星野玉露とも呼ばれる
新茶を摘む3週間ほど前に覆いをかぶせて遮光する

この玉露は 香り×風味×旨みのバランスが絶妙で それぞれが強すぎるわけでもなく 弱すぎるわけでもなく 本当に美味しい玉露が作られています
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針のような形状のお茶ですが お湯に浸すとまるで生野菜のように柔らかく風味をにじみ出してくれます

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水色も濃緑で 一口口中に含めば 緑茶の概念を覆されるような旨みが体いっぱいに広がります

このような特別な玉露は日本人でもなかなか飲んだことが無いのではないでしょうか?
かく言う私も その昔 勤め人として福岡で住んでいたころに味わったのが初めてでした
本当に美味しかった…

このような伝統産物を後世に繋げていきたいですよね
茶のみ は皆様に この『八女伝統本玉露』を味わっていただけるように喫茶メニューの一つに入れております
しっかりと三煎味わっていただき 堪能していただけますよ

凝縮された日本茶の旨みが知りたい方は 是非 茶のみ に遊びにお出でくださいませ
三煎飲んでいただいたあとの「玉露のおひたし」も最高ですよ

今回も最後までお読みいただき ありがとうございます(多謝)

【おまけ】
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八女大茶園が望める高台には 石像が鎮座されています
ステキなロケーションです