お茶産地のお話

宇治茶(京都府)

宇治の茶の特徴は とにかく『優しい』の一言に尽きます

最初の香りが強いわけでもなく 一口目の味わいにインパクトが強いわけでもなく 口当たりが良い という言い方もできると思いますが 私はとにかく「優しい」と感じます

茶の形状は 昔から伝統の煎茶 これを形から「伸び」のお茶と呼ぶ人もいらっしゃいます
濃緑の色 艶のある仕上げから 濃い味を想像させますが いやはや本当に「優しい」味わいです

水色は 良い煎茶の代名詞であります「金色透明」です
一口含むと すーっと喉元まで入っていきます そして 喉元を過ぎるあたりで 爽やかな渋味と旨みが 喉の奥から口の手前 そして鼻にかけて ふわ~っと漂ってきます
その様子も 本当に「優しい」お茶です

湯を入れる前には あれだけ濃緑色だった葉は お湯を迎えることで 浅い黄緑色に戻ります
その ふかふかした様子は まるで綿のようです
鼻を近づけると 喉の奥から駆け抜けてきた あの爽やかな香りが入ってきます

さすが 宇治和束の煎茶だと いつも感じ入ってしまいます

この宇治の茶園を開いた 明恵上人に想いを馳せて ありがたくいただきたいと思います

宇治和束茶 これからもご縁を繋いでいきたい 逸品です