西上寛の日々ブログ

日本茶の逸品 その①

2017/06/06

茶のみのニシウエです
そろそろ 日本の茶産地の話をしないといけませんね

今年は15産地16種の新茶を揃えさせていただきました
これも「少しだけだけどいいよ」とおっしゃってくれる産地の方々のお心遣いがあってのことです
まずは この場をお借りして 厚く厚く御礼申し上げます

どの産地の新茶も甲乙つけがたいのですが 始まらないと各産地の紹介が出来ないので まずはこの産地をご紹介させていただきます

ここは 宇治和束です

宇治の茶の特徴は とにかく『優しい』の一言に尽きます

最初の香りが強いわけでもなく  一口目の味わいにインパクトが強いわけでもなく 口当たりが良い という言い方もできると思いますが 私はとにかく「優しい」と感じます

茶の形状は 昔から伝統の煎茶 これを形から「伸び」のお茶と呼ぶ人もいらっしゃいます
濃緑の色 艶のある仕上げから 濃い味を想像させますが いやはや本当に「優しい」味わいです

水色は 良い煎茶の代名詞であります「金色透明」です
一口含むと すーっと喉元まで入っていきます そして 喉元を過ぎるあたりで 爽やかな渋味と旨みが 喉の奥から口の手前 そして鼻にかけて ふわ~っと漂ってきます
その様子も 本当に「優しい」お茶です


湯を入れる前には あれだけ濃緑色だった葉は お湯を迎えることで 浅い黄緑色に戻ります
その ふかふかした様子は まるで綿のようです
鼻を近づけると 喉の奥から駆け抜けてきた あの爽やかな香りが入ってきます

さすが 宇治和束の煎茶だと いつも感じ入ってしまいます

この宇治の茶園を開いた 明恵上人に想いを馳せて ありがたくいただきたいと思います

宇治和束茶 これからもご縁を繋いでいきたい 逸品です