2016/04/05
今回で上級袋茶シリーズの商品説明は終わりです
さて トリを飾るのは 宮崎県五ヶ瀬町産『釜炒り製玉緑茶』です
今回は相当長い内容になってます(苦笑)
『釜炒り製玉緑茶』カマイリセイタマリョクチャ(kama-iri-sei tamaryoku-cha)と読みます

煎茶とは異なり 最後の精揉工程が無いので 勾玉のような形状です
そもそも 「釜炒り」とは何のことか?
茶には 発酵茶 /半発酵茶 /不発酵茶 /後発酵茶 /その他の茶 に大別されます
その他のお茶とは…ルイボスティーやごぼう茶など お茶の木 から作ることが出来ないモノを指します
では お茶の木から 発酵茶 /半発酵茶 /不発酵茶 /後発酵茶 出来るのか?
そうなんです
お茶の木は 学名「アスパラサスリネアリス」と言い 中国雲南省が起源とされています
その木から 発酵茶 /半発酵茶 /不発酵茶 /後発酵茶 が出来るのですが では それぞれ何のことか?といいますと
発酵茶=紅茶 半発酵茶=烏龍茶 不発酵茶=緑茶 後発酵茶=漬物茶 と大雑把に分けられます
発酵とは 酸化発酵のことです
生のレタスを手でちぎって放置すると切り口が赤くなっていきます
あの現象が酸化です 空気に触れるから酸化します
ほうれん草を湯がくと 緑色が保たれます あれは湯通しすることで 酸化をさせないのです 熱を加えると酸化しなくなるという野菜の特徴を捉えた調理方法です
つまり これが不発酵です
不発酵茶=緑茶の作り方には大きく分けて2種類あります
生のお茶の葉に熱を加えて酸化発酵をさせない方法として 蒸す方法と 釜で炒る方法です
日本の緑茶のほとんどは この蒸す方法で酸化発酵を止めます
今までご紹介してきた 碾茶 深蒸し煎茶 煎茶 玉露 は すべてこの方法です
(深蒸し煎茶は 煎茶よりも長時間蒸すので “深蒸し”と名付けられています)
この蒸す方法は 1700年代中頃 永谷宗圓さんによって開発されました
(お茶で永谷さんと言えば… そう!永谷園さんのご先祖様です)
では それ以前は どのようにお茶を作っていたかというと 枝ごとあぶって お湯に突っ込んで沸かしたり 生の葉っぱを固めて 漬物にしたり(前述の後発酵茶のこと)というような使い方があったそうです
その中でも 日本に1500年代後半に伝わったのが 「釜炒り」の製法です
一節には 隠元豆で有名な中国の高僧で 博多に渡ってきた隠元禅師が伝えたという説もあります
中国茶の中でも烏龍茶は 半分酸化発酵させた後 釜で炒ってそれ以上の酸化発酵の進行を食い止めます
それで 『釜炒り製玉緑茶』ですが 今 我々が飲んでいる日本のお茶の中で 製法としては非常に古いモノであり 謂わば 日本茶の源流と言える製法です
その製法を久しく伝えている産地があります
佐賀嬉野の産地です
国指定天然記念物「嬉野の大茶樹」
しかしながら 水色や味(日本人がかつて好きだったアミノ酸の旨み)の点から 段々釜炒り茶が作られなくなり 今では 蒸し製玉緑茶の生産が非常に多くなっています(蒸し製玉緑茶も 美味しいお茶です)
今回 上級袋茶シリーズを作るにあたり 実は 釜炒り製玉緑茶の原料を嬉野産で作ろうと思っていました
実際 嬉野の釜炒り製玉緑茶も 美味しいです(茶のみでは 葉茶は嬉野産を使っています)
ただ 出逢ってしまったんです
宮崎県五ヶ瀬町の茶園を90年以上繋いでいる男に 出会ってしまったんです

この産地は 標高600mのところにあり 害虫があまり出てこないため 農薬を使用せずにお茶が作れます
そして 90年前の木でお茶が作られています
通常 蒸しのお茶は30-40年で植え替えをするというのが 茶業関係者の中では常識です
しかし この五ヶ瀬の茶園では 90年の木からも美味しいお茶が作られています
日本茶とワインは近い存在だという話を以前Blogに書きました
お茶は 葡萄同様 耕すことが出来ません 毎年 同じところで摘まれたお茶を製茶します
耕せないということは 土に力が無いとだんだん美味しさが無くなっていくし 木が大きくなっていくと 栄養が行き渡らなくなるということから 植え替えをするのです
しかし ワインの産地も古木から出来た葡萄の実でワインを絞ります
蒸さない = 釜で炒るからこそ 古木であっても 美味しい香りの良い緑茶が作れるのだと 納得しました
出逢ってしまったんです 理想のお茶と
神話を紐解くと 五ヶ瀬町にある「祇園山」が九州島の一番最初に出来た場所だそうです
(祇園山には海生生物の化石が出てくるそうです)
そして 天孫降臨の地 高千穂町と 山の民が暮らす椎葉村に挟まれた五ヶ瀬町 この3町村一帯は 2015年に世界農業遺産に認定された場所です
そんな場所にある 100年を紡ぐ茶園と出逢ってしまった以上 この日本茶の源流である『釜炒り製玉緑茶』を上級袋茶シリーズに入れないという理由が見当たりませんでした
熱いお湯でも 水出しでも どちらでも スッキリと美味しいお茶を愉しめる『釜炒り製玉緑茶』は きれいな青みがかった水色と釜香と呼ばれる 独特の香りが特徴です(少し 中国茶に似てるような感じです)

そんな大地の恵み豊かな 宮崎県五ヶ瀬町の『釜炒り製玉緑茶』を包むパッケージには 加賀友禅の五彩の中から 黄土 を選びました
実は この商品のパッケージの色が一番最初に決まりました 宮崎県は古来「日向(ひむか)」という国名で呼ばれていました
太陽の恵みが豊かな「ひむかの国」にあり 大地の恵み豊かな『釜炒り製玉緑茶』を飾るには 黄土(王土)以外の色は選択肢としてありませんでした

この日本茶の源流である『釜炒り製玉緑茶』が 皆様の癒しの源になってくれれば と願っております
美味しい上級袋茶の『釜炒り製玉緑茶』
急須を持っていなくても本物の味が 手に入ります
古都金沢の風情ともに 是非 一度 お試しください
今回は長文になってしまいましたが 最後までお読みいただき ありがとうございます(多謝)
【おまけ】

宮崎県五ヶ瀬町にある 農家民泊での夕食
野趣あふれた農家料理の数々 自家製ゆず味噌 美味しかったなぁ… ご馳走様でした^^